胃捻転・胃拡張予防ーアイテム編ー
予防法の見極め
胃捻転予防として過去によく書かれていたのは
- 器を高くして与える
- フードをふやかして与える
- 穀類の多いフードはリスクが上がる
しかし、最近の研究ではこれ全部違ってたという結果があるそうで。
- 器は低くして(地べた置きでいい)与える
- フードはふやかさず、体の大きさに合った粒サイズのフードにして、犬がよく噛んで食べるようする
- 脂質の多いフード(原材料の上位4つに脂質を多く含むもの)はリスクが上がる
いやいやいや……色々突っ込みたいとこありまくりなんだが。
過去と最近とで示してるリスク要因真逆やんってのもあるんですが、そもそもまだ明確な理由は分からんらしいから、これも数年後には間違ってましたってパターンもあるってことなのでは。最初に言われてたの否定されてるんだし。
それでもこれを読んだ私が冷静でいられたかというとそうではなくて、早速とばかりに昼ご飯をふやかさずにあげたんですよね。そしたら見事下痢。合う合わないってのもありますよね。というわけで我が家はふやかさん方がいいと言われてもふやかしてます。
ふやかすとフードが膨らんで重たくなるからっていうけど、ドライであげてもそのあといつも以上に水飲むから同じような気がするんですよね。
それに大きいワンコで粒サイズ大きめのフードで体質に合うのがあればいいけど、そうじゃない場合もあるわけで、小粒だったらほぼ丸飲みみたいになるしそれはそれでどうなんだろうっていう疑問。食事回数を増やして1度に上げる量を減らせばふやかしでも平気なんじゃないかしらと思っています(注:個人の見解です)
ちなみにふやかしてあげる場合、気をつけなければならないポイントがあって、それはフードの原材料欄に保存料として「クエン酸」表記があるかないか。
クエン酸表記がある場合、ふやかしてあげない方がいいです。
クエン酸を含むフードをふやかして与えると胃捻転のリスクが4倍くらいに跳ね上がる研究結果があります。クエン酸自体は体に悪いものではないので、プレミアムフードとされるものに入っている場合が結構あります。ふやかして与えていない場合は問題ないそうです。
ちなみに、ドライフードだけよりもウェットフードやトッピングをした方がリスクが下がる研究もあるそうですが、野菜などをゆでてトッピングする場合、ガスの出やすい食材もあるので注意が必要です。食材自体は毒でもなんでもなく、むしろ整腸作用やガン予防になると言われる野菜でも、たまたま胃の調子悪くて消化不良起こしているタイミングだと、胃に残ってる時間が長くなってガスが出て最悪胃拡張までいくことも。この辺の見極めは個体差があるので常日頃からよくお腹の具合を見ておくしかないんでしょうね。
食器の高さについてですが、体高の低い犬なら地べた置きもいいんでしょうが、体高高いとどうなんだろう。自然界の動物は仕留めた獲物を地面から食べてるからそれが普通なのかもしれないけど。器を地べた置きにしたくない場合、犬の膝の位置くらいの高さがいいと書かれているところもあったので、私はそちらを採用してます。膝の位置だと結構低めなんですよね。
買い足したアイテム
早食いをさせない
犬に「よく噛んで」と言ってよく噛んでくれるわけじゃないし、ゆっくり食べなさいと言ってもうちは秒殺で食べるので、スローフィーダーを使ってます。前は某ホームセンターの安いやつだったんですが、そこまで食事の邪魔にならないみたいで慣れたら早食いになってきてたので、今はこちらに変えました。おかげで食事を終えるまでの時間がかなり長くなりました。
これ、今使ってる器にセットできるのと、シリコンなのでフィットしやすいです。お手持ちの器より大きかったらカットもできます。
私は変なとこ潔癖症なので、購入して初めは煮沸してから使いました。
何度も使用していくうちに洗ってもフードの匂いが結構つくようになってきたな、と感じたらクエン酸か重曹を入れて煮沸してます。
ふやかさないであげる人の場合、海外のサイトではこういうタイプもオススメって書かれてました。
水のがぶ飲みをさせない
「がぶ飲みしないの!」と言ってもうちは聞きやしないのでがぶ飲み防止にもなるというこちらを採用。
水の量に応じて上部の水飲みエリアが浮いてくれて、水の飲める範囲が一定の量だけになるので一気にがぶがぶ飲めなくなります。
水を飲むとこぼしまくって床が水浸しになるわとか、鼻ぺちゃさんで顔がびしょぬれになりやすいわって場合にもオススメらしいです。
しいて欠点あげるなら、この手の水飲みの器ってデカいのばっかり(笑)
浄水フィルターがついているタイプもあるんですが、私はいちいちオプション買い足すタイプ嫌いなのでシンプルなものを購入してます。
プラスチック製は嫌なのよね、って方はステンレス製もあります。
消化酵素を摂取する
シニアに限らず消化器弱めの子にはフードに追加すると補助として働いてくれます。
消化酵素には色々ありますがセルラーゼは食物繊維を分解して腸内ガスの発生を抑えること、リパーゼは脂肪を分解するので、低脂質のフードだとしても前述した「脂質を多く含むフードはリスクが上がる」という研究結果の対策としてもいいのかなと思います。
消化酵素はこちらを購入してフードにかけているのですが、使う量が少ないので、大容量のはお値段お高めだけどかなり持ちます。
口コミで胃拡張気味の小型犬の子がこれを使うようになったら「ガスが溜まりにくくなった」というのもありました。
腸内環境を整える
前の記事にも書きましたが、便秘は大敵。食べたものをしっかり出すこと。出てりゃいいってもんではない、しっかり出ているか。そのためには腸内環境を整えることが大切。
我が家ではこちらの整腸剤を使用しています。
有胞子性乳酸菌とパンクレアチンが有効成分の整腸剤です。
- 一般の乳酸菌よりも腸への到達率が高い。
- 腸内での増殖、定着性が高い。
- 整腸作用だけでなく、消化吸収の補助、有害物質の産生抑制、免疫機能の活性化が期待できる。
- 多くの消化酵素を含んでいる。
- 胃や腸で、でんぷん・タンパク質・脂質を分解して消化を助ける。
ジメチコンを常備する
これは私の最終兵器というか心のよりどころです。海外ではガス溜まり対策用のサプリなんかもあるんですが、日本ってガス対策用ってのはない気がします。
アメリカの「飼い主から獣医師へのQ&A」が集まっているサイトをあちこち覗いたのですが、そこにあったアドバイスとして犬のガスを排出するのにジメチコンが有効とのことでした。
- 胃腸管内のガスが原因となる腹部症状を改善する。
- ガスだまりを形成する膜を薄くしてガスを潰し、腸から排出されやすくする。
アメリカでは人間用の薬でジメチコンを有効成分としたGas-Xってのがあるそうで、これが消化管内のガスを分解して排出してくれるそうです。内服したジメチコンは 血液や尿、他の臓器から検出されることがなくほとんどが便として排出されるので安全性も非常に優れています。そのため、これを犬用に飲ませても平気だから常備しておきなさいと書かれていました。
日本にはないのかと探したのですが、日本でいえばガスピタンが該当します。
有効成分にジメチルポリシロキサンとあるんですが、これがジメチコンです。他にも乳酸菌や消化酵素を含んでいるだけなので、獣医師に確認して犬用に飲ませている人もいるそうです。
ただ、私は消化酵素も乳酸菌も上記にあげた他のもので対策しているので、ガスピタンではなく人間用の「ガスコン」という薬を常備薬として持っています。ガスをコントロールする、ということに由来してその名がつけられたらしいですが、こちらはジメチコン錠とも呼ばれます。有効成分ジメチコンのみ。
これの何がいいかというと、溜まったガスを排出してくれること。
旅行や病院、花火の音や雷など、環境の変化やストレス要因でお腹が張ることがあるのですが、そういうときに飲ませておくと予防になること。張ってるなと思ってから飲ませても効果があること。
そして、考えたくはないけれど、ジメチコンでも抑えきれないくらいの胃拡張まで陥った場合でも、これを飲ませておけば病院へ行くまでの時間稼ぎにはなるということです。捻転まで行くと飲ませることはできないのでこればっかりは早く病院へ、としか言えません。
ガスコンは動物病院で処方してくれるところもありますので、頓服として持っていたい方は相談されるといいかもしれません。胃拡張になりやすい子は病院でもらってる人もいるそうです。ちなみに私は個人輸入で購入しました。
と、長くなりましたが胃捻転、胃拡張に関する我が家の体験談と対策は以上です。
新情報などを仕入れたらこれからも更新していこうと思います。
お読みいただきありがとうございました。