初挑戦でプレゼントという無謀

お友達ワンコのかわいいかわいい朱琉(シュリ)が5歳の誕生日を迎えるのでプレゼントになればと羊毛フェルトの半立体額を初めて作ってみることに。

立体は実寸サイズを縮小するって考えで作ればいいのだけど（これはこれで難しいけど）今回のは半立体。単に後ろ半身をぶった切って作ればいいかというとそうではなく、立体額におさまる厚みに仕上げなくてはならないわけです。額の中の厚みが3センチくらいしかないのでそんなに高さを盛り上げて作るわけにはいかず、かといってのっぺりした見た目にはしたくない、限られた厚みの範囲でいかに立体的に見せられるかというのが肝。

半立体作ろう～♪なんて軽い気持ちで始めたものの、いざやろうとなると私とんでもないものに挑戦しようとしてるのでは……と怖気づきました。
とりあえず朱琉ママに色々な角度からの写真を送ってもらうことに。
後姿とか横顔とか実際には作り込まない部分の写真もたくさん送ってもらいました。
これは立体を平面にしたときに不自然にならないように全体像のイメージをひたすら頭に叩き込むために必要な作業でした。

1枚目の写真が作業開始時。もはやサモエドではなくブルテリアのような。
鼻と舌は仮のものをとりあえず乗せているだけ。
家族にも「何作ってんのそれ」と言われる始末。
けれど私の頭の中ではこれで正解だったのでこのまま仮植毛を開始。
なんとなく朱琉に近づいているけれどこの時点ではまだ完成度5％程度です。

うっすらと似てきたところでそろそろ背景と合体させながら作業しなくてはならないため朱琉ママに連絡して背景を決めてもらうことに。
さすが白い犬は背景で色のNGがない。なのでここらへんは好みですね。

「青で！」と即決の朱琉ママのお陰でサクッと背景が決まったのでここからは本腰入れて作り込んでいきます。
まずは布に仮朱琉を刺しつけて、そこからは写真とにらめっこでひたすら造形していくだけ。特筆すべきことは特になく、ひたすら写真とにらめっこ。

ただずっと作業しているとどうしても客観性が失われていくので、似ているのか似ていないのか分からなくなってくるんですよねこれ。
「なんか右目が違う気がする」と思いつつも、一度やめて翌日クールダウンした頭でもう一度見直してみると、「あ、ここが違うんだ、右目は合ってる」とかなるので、一体何度作業をやめて翌日に持ち越したことか……。
そんな感じで作り込んでいけばいくほど分からなくなり、自作した目も「なんかこれ朱琉の目より明るい気がする……」となり、目ん玉だけで4ペアくらい作り直したっていう。
使わなかったのは他で使えるからいいんだけど、ケースに目ん玉ばっかりあってちょっと怖い(笑)

そんで、顔もある程度できてきたところで胴体の本植毛を開始。
ここには朱琉ママの希望で朱琉ご本人の毛を使うことに。
こちらの指示通り洗ってもらって、乾いたものを郵送してもらいました。

洗うと多少はダマになってしまうので、カーディングという作業をしてダマをほぐして元のふわふわ毛に戻していきます。

これを胴体に埋め込んで、顔と胴体のバランスを整えて額に納めて完成～♪

のはずが……

布に挟む台紙の厚みが頭からすっぽ抜けてて、ほんの少しだけど鼻先が額のガラスに当たってやんの……。
マズルはこれ以上厚みを薄くできないし、かくなる上は

は、鼻を……もぎとるしかねぇ(震)

ボンドと針金でしっかりついてしまった鼻を鬼の形相でもぎ取り、顔に埋まっている部分の厚みを薄く削りとってやりました。こういうとき鼻とか舌とかも自作してると応用効いて助かるなぁと実感。これが売り物のプラ鼻だったら削るに削れない……。でも無理矢理もぎ取った鼻のせいでせっかく作った顔がゆがんだっていう(もはや私虫の息)

削り出した鼻を植えつけてまたまた顔の調整を重ね、ようやくできましたとさ。

出来はともかくとりあえず誕生日に間に合って本当によかった。

ゆうパック送るときに「これ……本当に似てるかな……がっかりされないかな……」と死ぬほど弱気になり、受付のお姉さんに伝票渡すのめっちゃ躊躇して不審者だと思われたのだけど、お昼に朱琉ママからすごく喜んでもらえた旨のLINEをもらってようやく一安心。

飾ってくれるみたいで本当に嬉しいヾ(〃^∇^)ﾉ
とっても嬉しいツーショットも頂きました。朱琉ママありがとう～♥
こうやってみるとやっぱり本物の方が何百倍も可愛いね～。

朱琉、5歳の誕生日おめでとう！元気で長生きするんだよ～。

完成品の詳細は↓のギャラリーからご覧くださいまし。

GALLERY

WOOL FELT

あや

ライター兼デザイナー

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B型 女 インドア派
基本的にだらけているけれど好きなことへの行動力だけ鬼のように早い。
コロナの自粛期間に絵を描き始め、思いのほか好評だったので、ペットイラストのオーダーを不定期に開催しております。
ド近眼のくせに目を酷使することばかりが好きで、常に何か制作系のことをしていないと落ち着かない。
最近はブルーライトカットメガネとノイズキャンセリングヘッドホンが必需品。