胃捻転になった話①
インスタにも載せたのですが、ハリーが胃捻転になったことについて備忘も兼ねて残しておこうと思います。
結構長くなりそうなので
- 発症時の様子
- 術後の話と胃捻転の補足
- 今後の予防対策ー行動編ー
- 今後の予防対策ーおすすめアイテム編ー
と4つに分けて書いておこうと思います。
大きいワンコを飼っている方なら誰もが恐れると言っても過言ではない胃捻転。
私も予備知識として簡単なことは頭に入れていたつもりです。
と知っていたのはこの程度です。
怖い病気だとわかっていたので食後の安静には気を付けていたものの、9年間特に何も起きなかったのでハリーは胃捻転にはならないんじゃないかな、なんて心のどこかで思っていたような気がします。
その日は特に体調に変化もなく、食欲もあり、元気に散歩にも行って、排せつも特に気にかかるようなことはありませんでした。
夕飯は大体7時ごろで、ハリーも私たち家族も同じ時間に食事をしました。
いつもハリーの方が早く食べ終わるので、私たちの食卓にきておすそ分けをねだるいつもの光景でした。
ところが、急にスタスタとリビングを出たハリー。
部屋の裏で歩いてる音だけが聞こえてきました。
何してるのかな?と不思議に思って見に行くと、トイレではないところでウンチをしていました。
ハリーは普段トイレを失敗しません。2階にいても自分から1階に下りていってトイレに走るような子です。
一体どうしちゃったの?と思いつつ、片付けました。
なんだかおかしいなと感じながらも、この段階では私の中の警戒度は10%程度。
すると、今度は他の場所に歩きだし、お腹からゴウンゴウンという吐くときによく鳴るお腹の音がしました。
「あぁ、さっきご飯食べたばっかりだから全部吐くなこりゃ」と思い、受け止めようと新聞を持って駆け寄ったのですが
ゲホッとなるだけで吐きませんでした。
お腹から吐くときの音がして、吐かなかったことは今まで一度もありませんでした。
この時、私の中の警戒度が60%に跳ね上がりました。
そして、ウロウロしたかと思ったら、ストンとお座りをしたハリーが小さな声でヒンヒンと泣きました。
これを見て、次の瞬間にはもう私は車のキーを持って玄関を飛び出し、エンジンをかけていました。
ハリーを早く乗せて!と叫びました。
母に胸をさすられていたハリーが大きなげっぷを2回ほどしたようで「げっぷ出たら少し落ち着いたみたいだよ。ちょっと気持ち悪いだけかもしれないよ」と言われたけれど、私の中の警戒度は120%をぶっちぎり、頭の中では警報がけたたましい音を立てて鳴っていました。
弟に「早く乗せて!」と叫び、そのまま病院へ突っ走りました。
病院に着くまでの車中、何度も「ハリーどう!?」と聞きました。
「おとなしく座って、落ち着いてる感じするけど」という返事に、一瞬私の考えすぎだったんだろうかと思いました。
それでも、長年一緒にいて、お腹からあの音がして吐かなかったことが一度もなかったこと、単に胸焼けしてえづいてる感じとは違う気がしたこと、ヒンヒンと泣く声が今まで聞いたこともない苦しさを帯びているように感じたこと、すべて私の感覚にしかすぎないけれど、湧き上がってくる手の震えに嫌な予感しかしませんでした。大体、普段のハリーならおとなしく座って落ち着いて車には乗りません(それもどうなの)
病院に着き、無理を承知で呼び鈴を鳴らしました。
幸いなことに、対応していただけることになり、弟がハリーを抱きかかえ病院に入りました。
夜間対応病院ではないので、機械の電源等すべて落としてあったので、すぐ診察というわけにはいかず、待合室で待つことになったのですが、待合室に着くなりハリーはまたウンチをしました。いつものクルクル回ってから排せつ、という流れとは違い、意に反して出てきてしまっているような感じでした。
今思うと、あれは胃が膨れ、腸が圧迫されて押し出されていたんじゃないかという気がします。
病院に着いた時にはお腹が膨らんでいるのがはっきりと分かり、苦し気に開けている口から見えた歯茎の色は真っ白でした。
レントゲンを撮り、胃捻転と発覚。時間の経過とともに胃は膨らみ続けていくので手術前に取り急ぎ胃の中のガスを針で刺して抜いたそうです。少し楽になったのか、ハリーのいつものワンワンといううるさい声が処置室から聞こえてきました。
そして血液検査をして、大きな異常がないことがわかったので即手術となりました。
この血液検査で電解質の数値が異常値を示していると、更に危険度が増すそうですが、早く連れてきたのが幸いしたのか、ハリーの数値は基準値におさまっていました。
夜間対応病院ではないので、手術終わりまで病院で待つことはできず、帰宅し連絡を待つように言われました。
この時8時半くらい。
家に着き、手術が終わったという連絡がきたのは11時少し前くらいでした。
とりあえず無事に手術は終わり、麻酔からも覚めたという現状報告でした。詳細は明日の診察の時にということで、この日は終わりました。
手術自体は無事に終わったものの、この後胃捻転に詳しいシェパード飼いの友人に話を聞いたり、翌日先生から詳しい説明を聞いたりして私は更に青ざめることになるのですが、長くなるのでそれは次の記事で。
私は獣医でもないし、胃捻転に特別詳しいわけでもないですが、それでも断言して言えることは胃捻転は想像以上にすさまじいスピードで悪化するということです。実際に想像していたよりもずっと恐ろしい光景が目の前にあり、未だにこの時のことを思い出すと手が震え、夜眠れなくなります。強烈なトラウマとして残る出来事でした。
普段その子の一番そばにいて、その子が何を考えているか一番察してあげられる人が「何かがおかしい」と違和感を感じたら、その直感はきっと正しいと思います。私は今回もし胃捻転じゃなくて、ただの胸焼けだったとしたら、お医者様に「夜分にお騒がせしてすいませんでした」と土下座するしかないと思いました。恥をかいてもいい、過保護だと、大げさだと笑われてもいい、万が一が起きて後悔するのだけは絶対に嫌だと思って突っ走りました。
胃捻転は発症すると亡くなる子が本当に多いそうです。それもどういうわけか発症するのは夜間や朝方に多いのだとか。
そして、大きいワンコに多いというだけで、小型犬でもなることはあるし、まれに子犬でもなる場合があるのだそうです。
数分前まで元気だった子が次の瞬間には生死の境をさまよっている、とてつもなく恐ろしい病気なのに、発症する明確な原因はまだ見つかっていないのだそうです。
悲しくつらい思いをするワンコや飼い主様が少しでも減ることを祈るばかりです。