雪待ちの１月

あや

川面すれすれを、龍でも駆け抜けていったかのように大きな波紋がまっすぐに走っていく。
今日も風が強い。川が揺れている。
ところどころ氷が張った川をカモの一群が泳いでいる。ぞわっとする。羽毛って最強だなぁと思う。
私なら2秒で凍死。

厚手のニット帽とネックウォーマーで施した防寒対策もむなしく、寒風が突き抜けて顔が痛い。
ニコニコ顔で、はりきって前を歩く坊ちゃんとは正反対にもう帰りたくて仕方がない私。
毎日どういうつもりかと思うほど寒い。けれど、今年はまだ雪があまり降らない。

去年の1月なんていつもの散歩道はこんな具合で

嬉しそうに雪の上を転がったり潜ったりしていたのに。

今年は積もってもうっすらだからいつもの散歩と変わらない。
車の運転や雪かきのことを考えると雪なんて降らない方が人間的にはありがたいけれど、降り積もった雪を見て目をキラキラさせて大喜びで飛び回るハリーの姿も見たい飼い主的には複雑な空模様だなぁと思う。

寒さに凍える私をよそに、何度も振り返っては「お散歩楽しいね～」と同意を求めてくるハリーさん。

「楽しくないよ。寒いよ。もう帰ろうよ」と言うと聞こえないふりをして、私を無視して匂い嗅ぎを始める。

「うん、楽しいね～、ハリーお散歩大好きだもんね～」と言うとジャンプして「そうなんだよー！」と言わんばかりに飛びついてくる。
「帰ったらおやつ食べる？イイコにはおやつあげようかなぁ」と言うと「見て、僕こんなにイイコ！」と笑顔でお座りをして見せる。

すごいなぁ、言葉がどんどん分かってきてるんだなぁと成長を感じる一瞬。

帰宅して、足を洗っておやつをちょこっとあげたら、私はお仕事再開。
そうするとハリーが足元にくっついて昼寝の準備をする。

こうしていられる時間が多分一番幸せなんだと思う。
元気でいてくれてありがとうと思う。

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