秋が来たからどこへ行こう
あや
田んぼのあぜ道に彼岸花が赤く燃え、散歩道の途中あちこちに金木犀が香るようになると秋になったなぁと思う。
ハリーとの散歩でも立ち止まることが増え、その度に深呼吸をしては金木犀の香りを肺いっぱいに満たす。
すっかり涼しくなって散歩に余裕ができてきた。夏場はハリーがすぐにバテてしまうので様子を見ながら体調崩さないようにと気を遣いながら歩いているけれど、その必要もなくなって、秋の花を眺めたり、抜けるような青空を見上げたりする余裕もある。
思えば、ハリーが来る前まで、私はウォーキングだの散歩だの嫌いだった。ただ意味もなく歩くことが楽しいとは思えなかったし、路傍の花々を見ても特に何も感じなかった。見慣れた道をただ漠然と歩いているくらいなら家で漫画でも読みながらゴロゴロしていた方が断然有意義だと思っていた。
それが犬を飼うというだけで人間こうも変わるんだから、ハリーの存在の大きさには本当に驚かされる。
涼しくなったから夜になると甘えて私のベッドに入ってくるようになったハリーが愛おしい。
3歳になって自我がどんどん強くなって、私を自分のものだと思って派手なヤキモチを妬く姿も可笑しくて可愛い。
1日が終わるたび、今日も命を脅かすような怪我も病気もなく元気でいてくれてありがとうと思う。先代が守ってくれたのだと毎晩欠かさず手を合わせる。
去年の年末に手術だの入院だのしたのもあり、何事もないささやかな日々を心から幸せだと思うようになった。
年寄りくさい物言いだけど、ただただ穏やかに過ごしたい。揉めたりこじれたり面倒くさいことはたくさんだ。
秋から冬にかけてはハリーの大好きな季節。
今年はどこに行って遊ぼうか。
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